2024年1月、厚生労働省は、「健康づくりのための身体活動基準2013」を改訂し、「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しました。主な変更点としては、①個人差を踏まえ、運動の強度や量を調整し、可能なものから取り組むことが強調された点、②運動の一部において、筋力トレーニングを週2~3日取り入れることが加わった点、③座位行動(座りっぱなし)の時間が長くなり過ぎないように注意することが示された点、④高齢者の推奨事項に多要素の運動(有酸素運動・筋力トレーニング・バランス運動・柔軟運動など)を週3日以上取り入れることが加わった点が挙げられます。
中でも座位行動については、最新の科学的知見により、1日の総座位時間が長いほど死亡率が高まること、1回あたりの座位時間を短くしたほうが、健康利益が高まることがわかっています。1日の総座位時間の目安としては8時間を超えると「座り過ぎ」です。座りっぱなしだと、食後血糖値や中性脂肪、インスリン抵抗性などが高まるリスクがあります。そのため、30分に1回程度、座位時間を「ブレイク(中断)」することが推奨されます。立ち上がったついでに、ちょっと歩いたり、体操したりすることを心がけてみてください。