#9 健診・保健指導の受診

「自覚症状が現れにくい、そんな病気は少なくありません。だからこそ、定期的な健診と検診で健康状態をしっかりチェック。」

これは、厚生労働省からのメッセージです。さて、ここで「健診」と「検診」がありますが、違いはわかりますか?

「健診」は健康診断の略で、健康を診断するもの。具体的には、会社でおこなう定期健診、メタボ健診とも呼ばれる特定健診(特定健康診査)などがあります。肥満はないか、血圧は高くないかなどを確認し、異常値があれば生活習慣を見直すなどの対策をとることになります。

「検診」は、特定の病気を早期発見するための検査で、がん検診や歯科検診など、特定の病気を早期に発見して、早期に治療することを目的にしています。

健診にしても、検診にしても、自分の体の状態をしっかり知ることが重要であり、健康維持の第一歩です。職場での健診は労働安全衛生法で、その実施が定められており、事業主がその費用を負担しています。人間ドックは、任意ですので、費用は自己負担になりますが、より詳細な検査を受けることができます。

定期的に健診・検診を受けるとともに、日々の生活の中で何かしらの異常を感じたら、その状態が持続するのか、悪化するのか、注意深く観察しましょう。強い痛みを感じたり、徐々に悪化したりするような場合には、医療機関を受診し、診断を受けるようにしましょう。

自分の体の異常にいち早く気付けるのは自分自身です。常に、自分の体との対話を心がけることが大切です。

執筆者

中田由夫(なかたよしお)

筑波大学体育系 准教授

主な研究テーマ
食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。
一覧へ