#57 日々の生活に運動を取り入れましょう

2024年1月に発表された「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、1日8,000歩の身体活動のなかに、3メッツ(歩行程度)以上の強度の運動を週60分以上、そしてその中に筋力トレーニングを週2~3日含めることを推奨しています。

このような運動を推奨する根拠として、身体活動量については多ければ多いほど、将来の死亡リスクが下がることが示されています。1日8,000歩が目標となっていますが、いま2,000歩のひとは4,000歩を目指してください。それがクリアできれば6,000歩、さらに8,000歩、10,000歩と、より活動的になればなるほど、健康利益が大きくなります。ただし、無理に活動量を増やそうとすると、歩き過ぎて膝を痛めたりすることもありますので、無理のない範囲で、できることから始めることが大切です。

有酸素運動と筋トレについては、運動習慣がないひとと比較して、有酸素運動のみを実施していると25%死亡リスクが下がり、筋トレのみを実施していると18%死亡リスクが下がり、有酸素運動と筋トレの両方を実施していると40%死亡リスクが下がるという報告があります。そのため、適度なウォーキングやジョギングに加えて、筋トレも含めることを推奨しています。

筋トレによる死亡リスク低減効果については、週40~60分で底を打ち、それ以上おこなっても健康利益は大きくならないことが示されており、週140分を超えるとむしろ死亡リスクを高める可能性が報告されています。そのため、筋トレは1回10~20分程度、週2~3日程度で十分ということになります。歩数と異なり、やればやるほどよい、という関係にはないことに注意してください。

天気の良い日は外に出てウォーキング、天気が悪ければ室内で筋トレ、このような形で短い時間でもよいので、日々の生活のなかに運動を取り入れてみてください。

執筆者

中田由夫(なかたよしお)

筑波大学体育系 教授

主な研究テーマ
食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。
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