#59 忙しい働く世代こそ健診・保健指導を活用しましょう

働く世代は、仕事や家庭に追われ、自分の健康を後回しにしがちです。しかし、生活習慣病は30~40代から静かに進行し、自覚症状がないまま悪化することが少なくありません。だからこそ、定期的な健診と、その結果に基づく保健指導を受けることが重要です。
健診の最大の役割は、「症状が出る前にリスクに気づけること」です。血圧や血糖、脂質などの数値の変化があったとしても、自身では気づくことができません。健診によって早い段階で気づくことができれば、薬に頼ることなく、生活習慣の見直しだけで改善できる可能性が高まります。これは、将来の医療費や通院時間を減らし、仕事を続ける時間や体力を守ることにもつながります。
健診を受けていたとしても、その結果を「見ただけ」で終わらせてしまうのは非常にもったいない行動です。特定保健指導では、忙しい人でも取り組める実践的な改善策について、専門家と一緒に考えることができます。「運動しなければ」と漠然と考えるのではなく、「週に何回、どの時間なら実践できるか」を具体化することで、行動変容の可能性が高まります。
会社での定期健診は必ず受け、特定保健指導の対象となった場合は、その案内にしっかり目を通しましょう。オンライン面談や短時間の面談を活用すれば、時間的負担もそれほど大きくありません。また、健診結果は毎年保管し、前年との変化を確認するようにしましょう。
健診・保健指導は、「病気を見つけるため」だけのものではありません。これからも元気に働き続けるための自己投資の一つと捉え、積極的に活用していきましょう。

執筆者
中田由夫(なかたよしお)
筑波大学体育系 教授
- 主な研究テーマ
- 食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。
