#65がん検診は健康なときに受けるもの

日本人の2人に1人は、一生のうちにがんにかかるといわれています。一方で、医療の進歩により、がんを早期に発見して適切な治療を受ければ、治る可能性も高くなっています。そのため、がんから命を守るためには、定期的にがん検診を受けることが大切です。
がん検診の最大の目的は、がんを早期に発見することです。多くのがんは、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。「痛みがないから大丈夫」「体調に問題はない」と思っていても、気づかないうちに病気が進行していることがあります。症状が現れてから医療機関を受診した場合、治療が複雑になったり、身体への負担が大きくなったりすることもあります。
早期に発見されたがんは、比較的負担の少ない治療で対応できる場合があります。また、治療期間の短縮や生活への影響を抑えられる可能性もあります。がん検診は、こうした早期発見・早期治療につなげるための大切な機会です。
なお、健康診断を受けているからといって、がん検診を受けなくてもよいわけではありません。健康診断は主に高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを調べるものであり、がん検診とは目的が異なります。健康管理のためには、健康診断とがん検診の両方を受診することが重要です。
仕事や家事、育児などで忙しいと、つい受診を後回しにしてしまうかもしれません。しかし、がん検診は症状が出てから受けるものではなく、健康なときに受けるものです。自治体や職場で実施されている検診を上手に活用し、自分自身と家族のために定期的ながん検診を心がけましょう。

執筆者
中田由夫(なかたよしお)
筑波大学体育系 教授
- 主な研究テーマ
- 食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。
