#23 栄養補助食品の正しい活用方法

栄養補助食品とは、必要な栄養素を食事だけで摂取することが難しい場合に、その栄養素の摂取を補助するための食品です。特に法律などによって制度化されている用語ではありません。ゼリー飲料やシリアルバー、バランス栄養食などが該当します。

 似たような言葉として、栄養機能食品、機能性表示食品、特定保健用食品(トクホ)があります。順番に説明します。

 栄養機能食品は、ビタミンやミネラル(カルシウムや鉄)などの栄養成分を一定の基準量含んでいる食品で、機能性を表示できる点が、栄養補助食品との違いです。ただし、個別製品ごとの審査はなく、製造者が基準を満たしたという自己認証の表示食品です。
 
 機能性表示食品は、自己認証販売前に国(消費者庁)に届出が必要で、事業者の責任において科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。特定の栄養素ではなく、生鮮食品を含むすべての食品が対象となっている点が、栄養機能食品とは異なります。

 特定保健用食品(トクホ)は、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品で、個別製品ごとに有効性と安全性が審査され、消費者庁長官が許可します。

 いずれにしても、薬ではありませんので、「これさえとれば大丈夫」ということにはなりません。どのような成分がどういう理由で何に対して効果を持つのか、ご自身でしっかりと情報を収集し、理解したうえで、その必要性を判断することが大切です。

執筆者

中田由夫(なかたよしお)

筑波大学体育系 准教授

主な研究テーマ
食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。
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