#24 減塩のメリット、方法、工夫点

塩はNaCl(塩化ナトリウム)ですので、過剰に摂取すると体内のナトリウム濃度が上がります。体内のナトリウム濃度は一定に保たれるように制御されているので、ナトリウム濃度が高くなり過ぎると、濃度を下げるために、血液量や体液量が増えます。血液量が増えれば、たくさんの血液が血管を通ることになり、血圧が上昇しますし、体液量が増えればむくみとなります。
 
 日本の食事は「健康によい」と世界的に評価されていますが、醤油、味噌、漬物など、塩分を取り過ぎる傾向にあります。高血圧やむくみ対策のためにも、減塩に対する意識を持つことが大切です。

 塩分摂取量の基準として、WHOは1日5 g未満を推奨しています。日本人の1日あたりの平均塩分摂取量は10 g前後ですので、半分程度にする必要があります。これはかなり大変、ということもあり、厚生労働省が推奨している塩分摂取量は7 g前後となっています。
 
 例えば、カップ麺には5 g程度の塩分が入っています。およそ半分がスープに含まれる塩分ですので、スープを残すことが具体的な減塩方法のひとつです。また、たいていの調味料には塩分が含まれますので、減塩調味料を使用するのもよい方法です。日本高血圧学会が「減塩食品リスト」を発表しているので、参考にしてください。

https://www.jpnsh.jp/general_salt_04.html

 薄味に慣れること、加工食品を避けること、出汁をとったり、香味野菜を利用したりして、味付けを工夫すること、できることから始めてみてください。

執筆者

中田由夫(なかたよしお)

筑波大学体育系 教授

主な研究テーマ
食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。
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