#40運動習慣者の増加
健康日本21(第三次)では、身体活動・運動分野の目標のひとつとして、「運動習慣者の増加」を掲げています。ここでの運動習慣者は、「1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している者」と定義されます。
運動は「余暇身体活動」とも呼ばれるように、余暇時間に健康・体力の維持・増進を目的として計画的・意図的に行われるものです。運動を習慣化するためには、まずは余暇時間を確保することが必要で、平日の朝や夜、週末が候補になります。忙しい毎日を送っているみなさんにとっては簡単ではありませんが、運動のために余暇時間を確保できるように、日々のスケジュールを考えてみてください。
運動を習慣化すると、体力が向上し、健康効果が得られます。実際、運動習慣を有する者は、運動習慣のない者に比べて、生活習慣病発症や死亡のリスクが低いことが示されています。日常生活における歩数を増やすことも大切ですが、運動を習慣化できれば、さらなる健康効果が期待できます。
国民健康・栄養調査によると、運動習慣者の割合は現状28.7%、20~64歳では男性23.5%、女性16.9%、65歳以上では男性41.9%、女性33.9%です。働く世代での割合が低く、男性より女性で低くなっています。健康日本21(第三次)の数値目標は、20~64歳では男女ともに30%、65歳以上では男女ともに50%です。
「健康のため」という話をしましたが、そもそも運動やスポーツは、楽しく、気分転換になり、元気を回復し、人生を豊かにするものです。ひとりでも、友人や家族とでも、どのような形でもよいので、是非、からだを動かすことを楽しんでください。
執筆者
中田由夫(なかたよしお)
筑波大学体育系 教授
- 主な研究テーマ
- 食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。