#42座りっぱなしにならないようにするコツ
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の中には、「INFORMATION 2 働く人が職場で活動的に過ごすためのポイント」というシートが含まれています。このシートの内容を踏まえ、座りっぱなしにならないようにするコツについて紹介します。
働く世代は、1日の覚醒時間の多くを労働時間にあてているため、余暇時間が少なく、運動習慣者が少ない傾向にあります。労働時間を短くして、余暇時間を増やせれば一番なのですが、経営的にはなかなか難しいことと思います。
では、労働時間はどのように過ごしているでしょうか?これは業種によって大きく異なりますが、オフィスワーカーの場合は、そのほとんどを座って過ごしているのではないでしょうか。
このような場合、座って仕事をする代わりに立って仕事をする、という対策が考えられます。通常の机では難しいですが、高さを調節できるタイプの机があれば可能です。ノートパソコンを置けるスペースがあれば仕事はできますので、机でなくても構いません。家でリモートワークをする場合は、キッチンがちょうどよい高さになります。
現状、「冗談でしょ?」と思われる方が多いですし、このような行動を職場で一人だけがすると、他人の目が気になります。そのため、やるとすればオフィス全体で「座りっぱなしをやめる」という目標を共有し、みんなで一緒に働き方を変えるな、職場ぐるみの取り組みが重要です。
座位時間の少ない業種や、働いていない場合でも、1日のなかで座位時間が長くなりがちな場面を想定し、座位時間を立位時間に置き換える工夫を考えてみてください。執筆者
中田由夫(なかたよしお)
筑波大学体育系 教授
- 主な研究テーマ
- 食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。