#47 満腹中枢に打ち勝とう

「ホメオスタシス」、聞いたことありますか?日本語では「恒常性維持」を意味します。例えば、運動をして体温が上がると、汗をかくなどして、体温を平熱に保とうとする機能です。体重についても同様で、体重変化が小さくなるようにエネルギー収支バランスを保とうとします。
運動によってたくさんのエネルギーを消費した場合、満腹中枢が食欲を刺激し、いつもよりエネルギーを摂取したくなります。逆に、一歩も外に出ない日などは、エネルギー消費量が小さくなる分、食欲がわかず、エネルギー摂取量は少なくなります。
このように、基本的に、エネルギー収支バランスは整うようにできています。一時のストレスなどで、食べ過ぎて太ってしまうことはありますが、ある程度増えたところで、エネルギー収支バランスが整い、それ以降の体重変化はなくなります。
このような状態で、一念発起、体重を減らそうとした場合、エネルギー収支バランスを保とうとする体の本能に立ち向かう必要があります。これがなかなか大変なのです。
体をより多く動かして、食事をより少なくする。減量の基本は簡単です。しかし、このとき、満腹中枢は食欲を刺激しますので、空腹を感じ、食べ物に手を出してしまう。こうなると、体重は減りません。満腹中枢による食欲の刺激に打ち勝つ必要があるのです。
食事の前に水を飲む、野菜を多く食べる、よく噛むなどは、満腹中枢をだますための方策です。ガムを噛む、飴を舐める、歯磨きをするのも良いでしょう。うまくがまんできる日が続けば、間違いなく体重は減りますよ。

執筆者
中田由夫(なかたよしお)
筑波大学体育系 教授
- 主な研究テーマ
- 食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。