#49主食・主菜・副菜のそろった食事

2024年度から開始された健康日本21(第三次)の栄養・食生活の目標のひとつとして、「バランスの良い食事を摂っている者の増加」が挙げられます。この目標は、「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日がほぼ毎日の者の割合」を指標として評価されます。

主食・主菜・副菜のそろった食事が重視される背景には、エネルギー摂取と栄養素の過不足を防ぐことがあります。エネルギー摂取の過不足は、やせや肥満につながりますし、栄養素の過不足は様々な健康障害につながります。

栄養素の働きは主に3つ、1つ目は「エネルギーのもと」で、炭水化物、脂質、たんぱく質が該当します。2つ目は「からだをつくるもと」で、たんぱく質、脂質、ミネラルが該当します。3つ目は「からだの調子を整えるもと」で、ビタミンとミネラルが該当します。

炭水化物は主に主食、たんぱく質と脂質は主に主菜、ビタミンとミネラルは主に副菜をとることで充足されます。とはいえ、具体的に必要な栄養素は多岐にわたります。特にビタミンとミネラルについては、ビタミンA、B1、B2、C、D、E、カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛など、たくさんの種類があります。

単一の食品ですべての栄養素を摂ることはできません。細かく栄養計算する必要はありませんが、複数回の食事を通じて、できるだけ多くの食材を摂取することが大切です。

毎日の食事がワンパターンになってしまうと、摂取できる栄養素が偏ってしまいます。まずは主食・主菜・副菜をそろえることから始めて、できればそこに含まれる食品の数を増やしたり、日によって変えたりすることで、ワンランク上のバランスの良い食事を目指しましょう。

執筆者

中田由夫(なかたよしお)

筑波大学体育系 教授

主な研究テーマ
食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。
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