#52減塩の具体的な方法

食塩を摂り過ぎると、血液中のナトリウム濃度が高くなります。ナトリウム濃度が高くなると、その濃度を下げるために、のどが渇き、水分を摂り、血管に流れる血液量を増やします。その結果として、血圧が高くなります。血管がいつも張りつめられていると、血管が固くなってしまい、動脈硬化になり、脳梗塞、心筋梗塞などの原因になります。そのため、減塩は、高血圧の予防と治療、循環器病の予防に重要です。
それでは、減塩のために、主食、主菜、副菜をどのようにすればよいでしょうか。
主食はごはんがおすすめです。味付けされたごはんやおにぎりには塩分が加わるので、白ごはんがよいです。パンには塩分が含まれているので注意が必要です。うどんも麺自体に塩分が含まれていて、パスタはゆでる際に塩分を加えます。いずれにしても麺類は、麺だけを食べるのではなく、つゆ、スープ、ソースとともに食べますので、そちらに含まれる塩分も問題になります。麺類の汁類は極力、残すようにしましょう。
主菜で注意したいのは加工品です。ハムや干物などには塩分が多く含まれます。また、肉にしても魚にしても、大豆製品にしても、しょうゆやソースをかける際にはその量に注意しましょう。
副菜についても、調味料に注意が必要です。サラダに市販のドレッシングをかける際には、食塩含有量を確認しましょう。低カロリーのドレッシングは塩分が多い傾向にあります。漬物、みそ汁、市販の総菜も取り過ぎないように注意しましょう。
そのほか、味見の回数を減らす、低塩タイプの調味料を使う、大量に出にくいしょうゆさしを利用する、食卓に調味料を置かない、酢や香辛料を積極的に使用する、香りの強い野菜を積極的に利用する、減塩食品を活用することも有用です。あわせて取り入れてみてください。
執筆者
中田由夫(なかたよしお)
筑波大学体育系 教授
- 主な研究テーマ
- 食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。