#56 日々の正しい血圧測定で健康管理

高血圧は、日本では4300万人ともっとも患者数の多い生活習慣病です。脳卒中、心臓病、腎臓病などを予防するうえで血圧は非常に重要です。この血圧ですが、いろいろな条件で変動することが知られています。
「白衣高血圧」と呼ばれるように、病院の診察室で測る血圧は、緊張で高くなりがちです。家庭や職場でリラックスして測る血圧が正常であれば、診察室での血圧が高くても、高血圧による治療は当面必要ないと言われています。
逆に、健康診断や診察の時は正常なのに、家庭や職場での血圧が高い人がいます。このような人を「仮面高血圧」と呼び、診察室血圧、家庭血圧の両方が高い「持続性高血圧」の人と同じくらい脳心血管病を発症しやすいことが知られています。
このように、診察室血圧と家庭血圧の両方を知っておくことは、将来の脳心血管病を予防する上で重要です。
家庭血圧を測る際には、できれば上腕にカフを巻くタイプを用いてください。手首に巻くタイプは値が不正確になりがちです。朝と夜の1日2回、測定できるとよいです。朝は起床後1時間以内で、排尿後、食前・服薬前に、夜は就寝前に測定してください。測定前にたばこを吸ったり、飲酒をしたり、カフェインを摂ったりしないようにしてください。
姿勢は座位で、静かな環境で、1-2分間の安静を保った後で測定します。カフの高さを心臓の高さに合わせるように注意してください。測定中は話をしたり、力を入れたり動いたりしないようにしてください。
これらの条件を変えてしまうと、血圧は高めに出やすくなります。測った血圧値はすべて血圧手帳などに記録します。日々の血圧管理で、健康寿命の延伸を目指しましょう。

執筆者
中田由夫(なかたよしお)
筑波大学体育系 教授
- 主な研究テーマ
- 食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。
