#61「ゆるバランス」で続ける食事改善

「主食・主菜・副菜をそろえましょう」と言われても、実際の食卓では副菜が不足しがちです。その理由の一つは、主食や主菜に比べて副菜は、「準備に手間がかかる」と感じられやすい点にあります。ごはんや麺、肉料理は一品でも満足感がありますが、野菜や海藻、きのこなどを使った副菜はひと手間が必要です。そのため、本当は必要な「あと一品」が後回しにされやすいのです。

しかし、副菜はビタミンやミネラル、食物繊維を補ううえで欠かせない存在です。不足すると、体調を整える力がじわじわと低下してしまいます。そこで大切なのは、「毎食きっちりそろえなければ」と考えすぎないことです。

おすすめは「ゆるバランス」という考え方です。例えば、ある食事で主食と主菜だけになってしまった場合でも、次の食事や1日の中で副菜を補えばよい、と柔軟にとらえます。また、副菜も手の込んだ料理である必要はありません。カット野菜や冷凍野菜、具だくさんの味噌汁やスープも立派な副菜です。納豆や冷やっこ、ひじきの煮物なども手軽に取り入れられます。

さらに、「主菜に野菜を足す」という工夫も有効です。炒め物や丼ものに野菜を多めに入れることで、一皿の中でバランスを近づけることができます。こうした小さな工夫の積み重ねが、副菜不足の改善につながります。

バランスの良い食事は、完璧を目指すほど続きにくくなります。まずは「足りていない」ということに気づくこと、そして「次で補うこと」。完璧である必要はないので、ゆるく、無理なく、続けてください。

執筆者

中田由夫(なかたよしお)

筑波大学体育系 教授

主な研究テーマ
食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。
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