#5 体重と体脂肪率について

最近の体重計は、体重だけでなく、BMIや体脂肪率、筋肉量や体水分量など、いろいろな指標が表示されるものが多くなってきました。BMIはbody mass indexの略で、日本語では体格指数といいます。肥満の判定基準として用いられているので、肥満度とも呼ばれます。計算式は、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で、18.5未満でやせ、25以上で肥満と判定されます。標準体重はBMI 22が使われますが、ピンポイントに合わせる必要はなく、BMI 18.5~25の範囲内であれば「標準」と考えていただいて構いません。できれば毎日、体重を計測していただき、体重が大きく増減しないことを確認することが重要です。肥満は生活習慣病の原因になりますし、意図しない体重減少は何かの病気が関係していることがあります。

体脂肪率については、正確に計測することが非常に難しい指標です。スーパーで購入したお肉の脂肪率って計測できますか?ミキサーにかけて、分離した油の量を計れば良いのですが、自分のからだをミキサーにかけるわけにはいきませんよね?一般に利用されている体組成計は、微弱な電流を流して体脂肪率を推定しているのですが、少なからず誤差があります。筋肉量や体水分量などの他の指標も同様に推定値です。体重とは違って、よく変動しますので、一喜一憂せずに参考程度に扱ってください。

執筆者

中田由夫(なかたよしお)

筑波大学体育系 准教授

主な研究テーマ
食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。
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