#10 定期的な血圧測定の必要性
日本人の死因のトップ3は、がん、心疾患、老衰で、第4位が脳血管疾患です。心疾患と脳血管疾患はいずれも血液循環と関連する疾患のため、循環器疾患としてまとめられます。
がんや循環器疾患を予防するために必要なことは何でしょうか?それは、これらの疾患の引き金となる危険因子を持たないように、対策を講じることです。
日本人の死亡につながる危険因子のトップ3は、喫煙、高血圧、運動(身体活動)不足です。禁煙、血圧管理、運動(身体活動)実践が重要です。
定期的な血圧測定は、血圧管理の基本です。年に1回の血圧測定で、収縮期血圧が120 mmHg以上、拡張期血圧が80 mmHg以上の方は、自宅でも定期的に血圧を計ることをお勧めします。
血圧が高いことは、循環器疾患による死亡と密接に関連します。とはいえ、血圧が少し高いだけで、すぐに循環器疾患を発症し、死に至るようなものではありません。10年後あるいは15年後まで、血圧が高い状態を放置することによって、循環器疾患の罹患や死亡の確率が高まるのです。
血圧が高い場合、食習慣の改善(食塩摂取量の減少、野菜・果物の摂取、肥満の改善)、運動(身体活動)実践、飲酒量の減少、降圧薬の服用が重要です。血圧を4 mmHg下げるだけで、循環器疾患の発症が10~15%少なくなると言われていますので、朝晩の血圧変化を確認しながら、生活習慣の改善に取り組んでみてください。
執筆者
中田由夫(なかたよしお)
筑波大学体育系 教授
- 主な研究テーマ
- 食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。