#11 運動を継続するためのコツ
「運動は健康に良い」と分かっていても継続できない。そんな人は多いです。継続するコツについてお伝えする前に、そもそも「運動」の定義ってご存じですか?
まず、「運動」よりも広い概念として、「身体活動」があります。筋肉を動かすことで、安静時よりも多くのエネルギー消費を伴う活動であれば、すべて身体活動です。その中で、労働や家事、移動などの生活時間を除いた余暇時間に行う、健康や楽しみのために体力を高めるような活動を「運動」と呼びます。また、「スポーツ」は「運動」の中に含まれます。
さて、ここで何を継続すべきか考えてみましょう。健康のために必要なことは、歩行以上の強度で、週150分以上の身体活動を行うことです。運動に限定されたものではありませんので、1日30分を目安に、細切れでもよいので、歩行時間をできるだけ多くすることを意識してください。このくらいであれば、毎日、継続することは可能ではないでしょうか?
運動が実践できていなくても、身体活動量が十分であれば、ある程度の健康レベルは維持できます。しかし、より積極的に健康寿命を延ばそうとするならば、少なくとも週2回、1回30分以上の汗をかくような運動を継続することが望ましいです。ひとりではなかなか継続できないという方は、一緒に運動してくれる仲間を、できるだけ多く見つけましょう。
そして、最も大切なことは「楽しむ」ことです。運動はそもそも爽快感を伴う楽しい活動です。仲間がいれば、楽しさも倍増します。楽しければ、自ずと継続できるものです。「健康のために」では長続きしませんので、是非、運動することを楽しんでください。
執筆者
中田由夫(なかたよしお)
筑波大学体育系 教授
- 主な研究テーマ
- 食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。