#13 ダイエットのメカニズム
「どうやったらやせますか?」とよく聞かれますが、ダイエットのメカニズムはとっても単純。ポイントはエネルギー収支バランス。「食事によるエネルギー摂取量<身体活動によるエネルギー消費量」というエネルギー収支バランスが負に傾いた状態を作ればよいのです。
エネルギー収支バランスが負に傾いた状態になると、お腹が減ります。これは、エネルギーが足りないことを脳(満腹中枢)が察知し、エネルギーをとるように指令を出すからです。この満腹中枢は、基本的に「食事によるエネルギー摂取量=身体活動によるエネルギー消費量」という、エネルギー収支バランスが釣り合った状態を作ろうとします。つまり、お腹が空いたら食べ、お腹がいっぱいになったら食べるのをやめる、と満腹中枢に忠実に従っていれば、体重が増えることも減ることもないのです(でも実際には、お腹がいっぱいだと思っているのに、もう少し食べてしまうこともありますよね・・・)。
「お腹が減る」ということは、エネルギー収支バランスを負に傾けることができた証拠。このとき、満腹中枢からの「ごはんを食べよう」という指令を「無視」する必要があります。エネルギーが足りない状態なのに、食事によるエネルギーが摂取されない。この状態になると、足りないエネルギーを補うために、からだに蓄えられていたエネルギーである体脂肪が分解されます。これが、ダイエットのメカニズムなのです。
執筆者
中田由夫(なかたよしお)
筑波大学体育系 教授
- 主な研究テーマ
- 食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにすることを目指しています。